家づくりにまつわること(20):結露のいろいろ



この投稿では、日本で住まいづくりをする上で欠かせない結露への配慮についてです。

特に水回りは湿気が多く、結露にとどまらずにカビが発生したり、木柱が腐るケースも少なくありません。

結露の原因や対策についてシェアしていきたいと思います。




◉ 結露とは?


レストランでグラスに冷えた水を注いだもらった瞬間に水滴が付着しますが、これが結露です。その発生のメカニズムは暖かい水蒸気をいっぱい含んだ空気が冷やされ、「飽和水蒸気量」を超えると余分な水蒸気が水に変わります。雨も同じ原理で、結露で発生した水(厳密には氷晶)が上昇気流では支えきれなくなって地上におりてきています。


実は、温度によって空気中に含むことのできる水蒸気量が決まっています。「飽和水蒸気量」は各温度におけるMAXの水蒸気量のことを言います。つまり、結露は湿度(相対湿度)と温度の関係により発生するかどうか決まるということになります。 そのため、一般的に温度が低いと結露しやすくなりますが、水蒸気の量が少なければ結露はおこりません。 逆に同じ水蒸気量でも温度が高いと結露の心配は少なくなります。


建物においては、冷たいところ(夏場は冷房が直接当たる部分、冬場は窓ガラスやサッシ)と暖かいところ(暖房が直接当たる部分)や湿度が高いところが部分的に存在するため、やっかいなのです。




◉ 建築における結露と対策


建築は温度の違う内外から影響を受ける殻と捉えると、あらゆるところで結露が起こる可能性があります。

主には「窓面」、「室内(特に水回り)」、「壁内」、「床下」が特に気をつけるべき場所になります。


「窓面」はわかりやすい場所です。冬場に窓やサッシが結露して水滴だらけになった経験はあるかと思います。これはグラスの結露と同様に外の気温でガラスやサッシが冷やされた部材に暖かくたくさんの水蒸気の含んだ空気が触れて結露が発生します。


「室内(特に水回り)」は水蒸気を多く含む浴室や洗面の他、風が通らない場所(空気が動かないところ)は水蒸気を含んだ空気が停滞するため、結露が発生しやすくなります。


「壁内」の結露はとても専門的となるため、詳しく述べることは避けますが、壁の中で結露しますと、見えないところで住まいに影響を与えてしまうことになります。通常は計画の中で下地や断熱材など壁を構成する材の組み合わせにより、壁内で結露しないよう設計者が判断していきます。


「床下」は地盤面から上がってくる湿気に対策が必要です。特に築年数が古い建物では、湿気対策せずに、地面から床までの高さが十分でなかったり、床下通気口サイズが小さかったりすると湿気により床を構成する材料に結露が起き、放っておくと腐ってしまう場合もあります。






一方で、結露を発生しないようにするにはどうすれば良いでしょうか。

前述の通り、温度と湿度の関係で発生するかどうか決まりますので、このことがわかれば対策が見えてきます。

方法としては、以下が考えられます。

・温度を調整する

・湿度を調整する(調湿器、除湿機)

・温度に影響を受けに行くい材料を選ぶ

・湿度を逃す(換気をする、空気の流れる道をつくる)


1点目と2点目は関連しており、調湿器により調整ができます。ただ、日本においては冬場に温度の高い室内の湿気が冷たい窓や壁面に当たって結露するケースが大部分のため、これだけであれば、除湿器があれば対応できます。

3点目の「温度に影響を受けに行くい材料を選ぶ」とは、サッシを例に挙げると断熱サッシがそれに当たります。断熱サッシとは一般的なアルミ製のサッシ枠の上に樹脂製の保護仕上を取り付けたサッシであり、アルミより樹脂の方が温度の影響を受けにくいため、結露が起きにくいです。

4点目の「湿度を逃す」は意外に気を使っていないところではないでしょうか?

結露は水蒸気がなければ発生しませんので、水蒸気の多く含む空気を換気できれば結露も防ぐことができます。そのため、空気の流れをきちんと意識した計画ができていないとこれは実現できません。


当社では、室全体に空気が流れるよう平面計画と窓の位置を計画するようにしています。

これは結露の防止もありますが、新鮮な空気を室内に取り入れてほしいということでもあります。




この投稿では、結露に焦点を当てて建築における影響と対策について書きました。

結露が発生する原因と対策はいろいろと関係するため、何かをすればそれで改善されるかどうかはわかりません。一つ一つの対策を試しながらその結果を見て、次の対策にフィードバックするというような根気が必要な場合も多々あります。時には家の使い方を少し変えるだけで劇的に改善する場合もあります。