2026年新年のご挨拶と2025年の振り返り
- 吉松
- 1 日前
- 読了時間: 6分
新年明けましておめでとうございます!
大阪は年末辺りから急に気温が下がりましたが、皆様は年末年始ゆっくり過ごされましたでしょうか。

今日から仕事始めです!
新年のご挨拶と共に、2025年のことを遅ればせながら、少し振り返ってみたいと思います。昨年にお世話になった方々に感謝しつつ、新しい年のこれからにワクワクしています!
万博イヤーであった去年は、中国の日本渡航規制があるまで関西は驚くほどに海外の方々でいっぱいでした。
当社では、2025 大阪・関西万博 ポルトガルパビリオンに関わらせて頂き、パビリオン関係者や海外の専門家と仕事をできた刺激的な年でした。
◉2025年のプロジェクトを振り返ります!
EXPO 2025 大阪・関西万博 Portugal Pavilion
※写真提供:以下4,6枚目:RIMOND JAPAN、その他:吉松宏樹

ポルトガルパビリオンのテーマは「Ocean:The Blue Dialogue」。約480年前に交流を始めた日本とポルトガルを結びつけた海に焦点を当てたパビリオンです。
当社はポルトガルに本社のある設計・コンサルタント会社VhMと協同し、SUPERVISIONチームとして関わりました。SUPERVISION(スーパービジョン=監督)という役割は、日本では聞き慣れない言葉で、その役割も全く確立されていません。
一般的にこの建物規模の建設フェーズでは、施主・設計者・監理者・施工者でプロジェクトを動かしていくことになりますが、海外では、建設において技術的・品質的な側面とコストやスケジュールといったプロジェクト全体の側面を確かなものとするため、施主と並走しながら上記の関係者を監督する第三者チームが存在します。それがSUPERVISIONです。
●海外のプロフェッショナルとの出会い
このパビリオンの施主(AICEP)、設計者(Kengo Kuma & Associates)、施工者(RIMOND)の担当者は皆、ポルトガル、フランス、イタリアから万博やパビリオンのために来日してきていました。施工会社であるRIMOND JAPANの下に日本のチームとして建築工事をリバース有限会社、設備工事を株式会社 鈴鹿、株式会社 弘光舎が担当する国際色豊かなチームです。
問題はその場でできるだけ解決する、気になったことはその時に確認する、会議の時間をできるだけ取らない(上司への確認はランチの際に完結してました)、お互いの役割を尊重するのがスタイルでしょうか。とてもやりやすかったことを覚えています。(役割やルールを決めた後は、私もほとんど放任されてました。笑)


万博開始までの時間がない中で、打合せやモノ決めのスピードはとても速いです。色々な物事が設計者と施工者での方針決定後、我々SUPERVISIONチームのチェック・協力により出戻りや運営時の不具合がでないよう関係者全員で進めていきました。




後半には、展示チームがブラジルから合流し、さらにコミュニケーションや工事の複雑さが増します。

一日一日が大事だったこのプロジェクトは、最後の方は言語の壁を超えて、完成への共通の意識と密なコミュニケーションがあったことが、大きな不具合なくスムーズに完成できたと思います。

そうして出来上がったパビリオンは、約235万人の来館者が訪れ、万博内のアワードを3つ受賞できたとの報告を受けて嬉しかったです。最終日にパビリオンのディレクターのBernardo氏と雑談していた時、建設・運営に関わる皆がパーフェクトであったと喜んで話してらしたことが印象的でした。
現在は解体工事が進んでいて、3月の解体完了まで同じチームで安全に進めています。

●SUPERVISIONという役割の必要性

前述の通り、日本ではSUPERVISIONという役割は存在しないため、私自身はじめての経験でした。しかし、実際に行ってみて、今は日本こそSUPERVISIONという役割が必要であると感じています。
日本では、建築を依頼する場合に、工務店やゼネコンに設計から工事まで全体を一括して依頼することが一般的であるため、施主本人が工務店やゼネコンと直接コミュニケーションする必要があります。
プロジェクトの大小関係なく、どこかでそれが上手くいかない時があります。
当然に担当者との当事者間で関係が悪くなると、プロジェクトは上手くいきませんし、疑問に思ったこと、設計中の要望、工事中の本当にこれで大丈夫なのか、といった希望や不安を「素人が玄人に相談・交渉をする」というところに難しさがあると感じます。
例として住宅の設計において、工務店やハウスメーカーに依頼しつつも設計や工事中に判断が付かずにセカンドオピニオンを私たちの事務所に求める連絡が時々あります。これに対して、理解しやすい情報でお答えしますが、それを実際に、工務店やハウスメーカーに相談・交渉するのは施主に行ってもらわないといけません。結果、スケジュールやその時の段階によって、根本的には変えられないと言われたとフィードバックを受けることも多いです。セカンドオピニオンが必要では?と感じてからオピニオンの取得までの時間が、ハウスメーカー等のスケジュール感に合わないので、結果上手くプロジェクトにセカンドオピニオンを反映することは難しいのが印象です。
つまり、設計から工事までの一括発注の場合、特に施主本人の情報処理能力・観察力・交渉力がプロジェクトの明暗をわけることになります。
SUPERVISIONはこれの全てを解決するように働きかける役割です。大きな役割やメリットはこの5点だと思います。
① 施主はSUPERVISIONと直接契約する第三者機関であるため、設計者・施工者それぞれとは切り離された俯瞰した管理が可能であり、施主は関係者とのやり取りの中で疑問点や欲しい支援がある場合には、SUPERVISIONにこれらを求めることができる
② 全体予算を確認し、各社の見積やコスト比重を確認して適正なコストマネージメントを行う
③ 全体スケジュールを確認し、その内容の妥当性とそれに従った継続的な管理を行う
➃ 計画を確認し、技術的・品質的な助言を施主に行う
⑤ 以上を、施主を代表してSUPERVISIONが工務店やゼネコンとコミュニケーションをとる
図式で描くと以下のイメージになります。

これまでは特に設計・施工一括発注方式(方式についてはこちらを参照:家づくりにまつわること(1): ハウスメーカー・工務店に住宅を依頼する時に読む投稿)の場合を書きましたが、設計と施工の会社が分かれている場合(設計・施工分離発注方式)でも同様にスムーズにプロジェクトを遂行するには、間違いなく機能します。
つまるところ、設計会社と施工会社が分かれている・分かれていないに関わらず、施主は結局、直接にプロとコミュニケーションを取らなければいけません。プロジェクトの中に計画自体に忖度しない第三者のプロが施主の傍に居るということが、確かな成果を生み出します。
今年はオフィスの設計からスタートです。ポルトガルパビリオンで感じたことを何か形にしたいとも思っています。
昨年、家具やプロダクトを通じて研究してきた新しい表現や環境を、今年は建築で思考していくことも目標の一つです。
変わらずに研究と実践を繰り返し、それぞれを横断して思考しながら今年も挑戦していきたいと思います。
どうぞお付き合いください!





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