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家づくりにまつわること(8):家づくりに関わる総予算について

更新日:2020年6月7日


 

この度のブログでは、住宅取得に関わる総額について書きたいと思います。

ご相談頂く建て主の方々の中には、住宅本体にかかる金額しか想定していない方も多数いらっしゃいます。


ここから数回の投稿に分けて、予算設定やコスト削減についてシェアできたらと思います。

◉ 住宅取得に必要な総予算の明細

住宅取得における初期総予算の明細は、大きく分けると以下に分かれます。

A. 土地取得にかかる費用

B. 本体建物工事にかかる費用

C. 設計にかかる費用(建築設計・監理業務、確認申請代行を含みます)

D. 住宅ローンにかかる費用 ※ローンを組む場合

E. その他費用(登記代、地鎮祭・上棟式費用、ブラインドなど付属工事など)

この5つの項目のバランスで構成されています。

建て主にとって、住宅は一生に一度の買い物であるため、いざ住まいを建てたいと考える時にその相場感や関わる物事の良し悪しの判断基準となる情報が乏しいというのがこの業界の特徴です。

そのため、一般的に建築設計事務所に相談のある時点では、DやEに必要な費用を想定していなかったり、相場とはかけ離れた工事費想定をもって、Aの土地所得が決定した段階で来られる方がほとんどです。

しかし、想定していなかったD,Eを加え、Aがフィックスしてしまうと、残りのB,Cを全体予算内で振り分けなければならず、要望をヒアリングすると、納まらないという場合がとても多いのです。

◉ 各項目の予算設定に漏れはないか?

A〜Eまでの各項目の詳細を確認し、予算設定に漏れがないか確認していきます。

まず『A. 土地取得にかかる費用』では「土地の費用」だけでなく、

・不動産屋への仲介手数料

・土地の登記費用(司法書士への報酬額の確認も忘れないこと)

・不動産所得税

が必要です。土地の費用だけでなく、その他の費用も意外に必要とします。

次に『B. 本体建物工事にかかる費用』、『C. 設計にかかる費用』ですが、予算設定時に地盤調査が完了しているケースは少なく、ハウスメーカーや工務店の概算見積りでは、掘削費用や地盤改良費が仮としてでも算入されていない場合があるので、注意が必要です。

(ちなみに掘削費・地盤改良費は木造住宅において、大きな金額を占める項目の一つです)

また、空調機器や照明器具も算入されていない場合があるので、しっかり概算金額の内容を確認し、含まれていない内容についてどれくらい予備で想定しておく必要があるか把握するようにしましょう。

この項目では「建物本体に必要な費用」だけでなく

・解体工事費

・設計費(構造設計費用含む)

・各種申請費用

・敷地、地盤調査必要

が必要なので、漏れのある場合は担当者に確認しましょう。

次に『D. 住宅ローンにかかる費用』についてですが、「事務手数料」や「保証料」だけでなく、

・物件の検査手数料(建物の引き渡し前にローン会社の担当者が現場検査します)

・抵当権設定費用(司法書士へ依頼する方が良い)

・ローン契約時に必要な印紙代

・つなぎ融資の利息(土地をローンで購入し、住宅を新築する場合)

が必要です。特につなぎ融資の利息は見落としがちです。つなぎ融資では月々利息分は支払いしていく必要があります。

最後に『E. その他費用』についてですが、

・建物の登記費用

・設計契約時及び工事請負契約時に必要な印紙代

・地鎮祭・上棟式費用

・ブラインド、テレビアンテナ・配線など付属工事

・置き家具(ダイニングテーブル、イス、ソファ等)

・引っ越し費用

が必要です。ここを全て想定されていない方が多いので注意です。

◉理想的な住居を建てるための予算配分は?

理想的な家づくりは、まず建て主のこれからの生活感を実現するために必要な『B. 本体建物工事にかかる費用』、『C. 設計にかかる費用』を設定し、A、D、Eの金額を入れてみることです。

次に土地検索、立地条件に合わない場合は、B、Cの金額を見直して、金額バランスを調整していくことが、以外に近道だったりします。各金額は求める土地や建物の条件・性能によっても違うため、一概には言えません。

従って、敷地を購入する前に設計事務所に相談する方が良いことになります。


当社では、敷地購入前の予算編成だけでなく敷地へのボリューム検討を含めて全体のコンサルティングも行っています。お気軽にご相談頂けたらと思います。

本投稿では、住まいづくりにおける総予算設定の基本事項について書きました。設定された建物の仕様や内容とそれに対する金額を正しく把握し、その他に必要な金額を想定することで不用意な増額を避けるようにしてください!


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